1.授業・イベントのお知らせ

2020年度 第2回授業のお知らせ

2021年 2月28日の授業は、

 「はやぶさ2」50億キロの旅

   ~カプセル地球帰還まで~

 

【講師】的川 泰宣(まとがわやすのり)先生

  JAXA宇宙航空研究開発機構 名誉教授

  はまぎんこども宇宙科学館 館長

  NPO法人子ども・宇宙・未来の会 名誉会長

  呉市海事歴史科学館・大和ミュージアム 名誉館長

 

12月17日、スタッフ4名が洋光台の『こども宇宙科学館』的川 泰宣館長を訪ね、第2回授業の打ち合わせを行ってきました。

 

授業の時も、的川先生がこの館長室から皆さんにお話して下さいます!

 

 

はやぶさによる小惑星探査を始めたきっかけは?

はやぶさと、はやぶさ2では何が違ったの?

ミッション成功の秘密は?

的川先生も失敗した経験ある?

 

などなど...皆さんより先に、わくわくするお話をたくさん伺ってきました。

1月には、はやぶさ2のカプセル回収の嬉しいニュースがあったばかり。的川先生の授業がますます

楽しみですね!

 

 

214日には、第2回授業に向けて、プレゼミ「宇宙についてはなそう」Zoomで開催します。

 星空案内人の小澤宏一さんが、学生のみなさんを「宇宙探検」に連れて行ってくれます!


2.授業レポート

2021年度 第5回授業・修了式

「脳外科医になったら~脳神経のしくみと病気、手術のお話~

 3月5日(土)14:00~16:30  横浜市立大学 金沢八景キャンパス カメリアホール

 講師:山本 哲哉やまもと てつや)先生 

    (横浜市立大脳神経外科学主任教授・同大附属病院副病院長

  

 2021年度最後の授業は、脳外科医の仕事について学びました。病院には対象とす

            る患者や身体の部位、病気・けがの種類よってさまざまな診療科が置かれていますが、

            山本先生の専は脳神経外科。脳・脊髄(せきずい)・神経を診断し治療する診療科で、

            脳卒中などの脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍(のうしゅよう)などの診察や手術を行っ

            ています。

             この日の授業では、学生たち自らが“医師”になり、山本先生の指導のもとで神経の障

            害を調べる検査の実習を行い、患者の症状から病気の原因を探る“診断”にも挑戦しまし

            た。

                         ☆☆☆   ☆☆☆  ☆☆☆   ☆☆☆

 

          ――脳卒中のサイン「FAST

          授業ではまず、脳卒中を見極める「FAST(ファスト)」というキーワードを教わり

         ました。F」はフェイス(Face・顔)、「A」はアーム(Arm・腕)、「S」はスピ

         チ(Speech・話こと)。口がへんにゆがんでいないか、左右どちらかの腕に麻痺

         (まひ)()はないか、言葉を普通に話せているか――をみます。この「FAS」の症状がひ

         とつでも出ていれば脳卒中の可能性が高いということになります。最後の「T」はタイ

         ム(Time・時間)。これらの症状があったら「すぐに病院へ」ということを警告して

         います。発症から治療開始までの時間が重要なのです。       

――実習で検査を体験

 「FAST(ファスト)」の「A」、腕の麻痺を調べる方法に「バレーサイン」があり

ます。どんな方法なのか、学生同士でペアを作り、山本先生の指導に従って実際に体

験してみました。まず座って目を閉じ、手のひらを真上に向けて両腕を前に水平に差

し出します。そしてそのままの姿勢を維持してもらいます。麻痺がある場合は、麻痺

している側の手のひらが自然に内側に回転し、腕がしだいに下がってくるのだそうで

す。

         ほかにも、神経の異常を調べる膝蓋腱反射や、アキレス腱、上腕二頭筋、上腕三頭筋

         の反射、黒目に光を当てて、瞳孔の収縮をみる対光反射などの実習も行いました。

 

         ――診断にチャレンジ

          さて、いよいよ病気の診断にチャレンジです。まず山本先生から次のような症例が

         提示されました。

 

         【患者47歳】

         6か月前から疲れると物がダブって見え、目薬をさしていた。2週間前、右目が外に寄っ

         ているのに家族がきづいた。けさになって右目は内側・上側・下側にはほとんど動かな

         い。左目は正常。高血圧で内服治療している。             

 右目の異常の原因はどこにあるのか・・・学生たちはこの日学んだ知識を総動員し

て、病気の解明に挑みます。

 ・バレーサインや反射検査の結果は正常。

 ・仮に脳出血なら発症した途端に意識をなくして倒れたりするはずだから、このケ

  スはあたらない。

 ・右目は外側しか向けない。目を動かす動眼神経があやしいのでは。 

 ・動眼神経はどこをどんなふうに通っているのか、系統図を調べてみよう。

              ・両目でなく右目だけに影響が出ている。動眼神経のどの部分が悪いのかな。

 

              山本先生と学生たちは、いろいろな可能性を一つずつ検討しながら徐々に原因を絞り

            込んでいきます。そして、動眼神経に接して走る内頸動脈の存在に気づきます。実は、

            内頸動脈にこぶ()ができて、動眼神経を圧迫していた、というのが正解でした。

            脈瘤を引き起こしやすいとされるのは高血圧。内服治療も大きなヒントだったわけで

            す。 

         ――まとめ 

              授業の最後に山本先生は、①勉強することはいっぱいあるが、むずかしいことでもチ

             ャレンしてみよう。そうすれば少しずつ自分の力になる②練習、訓練を続けよう。一

             番になる必要はない。自己ベストを目指そう③「楽しい」「おもしろい」を大切に。そ

             の気持ちをいつまでも持ち続けよう――と呼びかけました。

              医学用語も混じえての高度な授業でしたが、学生たちは正しい診断を導き出すために  

             はしっかりした知識と論理的な考え方が大切だということを学び、これまで以上に医療

             への関心を高めたようでした。  

<修了式>

 第5回授業終了後、2021年度子ども大学よこはまの修了式を行いました。1年間の学

びをまっとうした7期生(45人)に修了証が授与されました。

 新型コロナウィルス感染症の拡大が収まらず、授業は最初の3回をオンラインで、4、

5回目は感染対策を講じ対面授業で行いました。仲間と一緒に学ぶ対面授業はやはり楽

しそうでしたが、オンライン授業も新しい学びの可能性を広げてくれました。

              大年美津子理事長は1年を振り返り、「みなさんは実際は小学生ですが、ここは仮想

             大学です。ですから私たちは”大学生”のみなさんに向けて授業を用意してきました。こ

             の大学でいろいろなことを知り、驚き、そして楽しく学んだことを、自分の可能性を広

             げるために役立ててください」とあいさつ。

              榊原洋一学長は「みなさんにはこれからもずっと学ぶ機会がありますが、『楽しい

             な』『おもしろいな』と思う気持ちを持ち続けてほしい。たくさんの難しい課題がみな

             さんの未来にも待っていますが、それを解決する力はみなさんの中にあります。ここで

             の学びの経験を活かして、いつか地球を救うような人になってほしいと思います」と激

             励の言葉を贈りました。

2021年度 第4回授業・入学式

「落語の世界~想像力とコミュニケーション~」

 11月13日(日)14:00~16:00  横浜市立大学 金沢八景キャンパス カメリアホール

 講師:立川 晴の輔たてかわ はれのすけ)先生 (落語立川流 立川志の輔一門)

  

 第4回授業は、新型コロナウィルスの感染が落ち着いたことを受け、今年度初めて対面

式でわれました。

 講師にお迎えしたのは落語家の立川晴の輔先生。出囃子に乗って登場し、教壇ならぬ

座から、落語の醍醐味や楽しみ方について解説しました。学生たちは開始早々から軽

妙な語り口に引き込まれ、本格的な古典落語の実演や質疑応答の掛け合いを交えながら 

進められる授業に目も耳も釘付けに。会場は終始大きな笑い声に包まれました。落語を

            楽しむには「自ら進んで聞こうとする力」と「想像力」が大切ということを実際に体験

                                 し、「コミュニケーションをとるのにも、同じく『聞く力』と『想像力』を働かせて」

                                 という立川先生の言葉に、学生たちも大きくうなずいていました。

             対面ならではの、にぎやかで活気あふれる授業でした。

<入学式>

  2021年度の入学式が、11月13日、横浜市立大金沢八景キャンパスのカメリアホール

  で開催されました。今年度は新型コロナウィルス感染症の影響でここまで3回の授業をオ

  ンラインで行ってきましたが、感染拡大が落ち着いたため、第4回授業に合わせ一堂に会

  して開催したもので

  式には今年度の受講生70人(4年生30人、5年生17人、6年生23人)のうち37人が出

  席。榊原 洋一学長が、「イノベーションには三つの心構えが重要だと言われています。

  他人を思いやり共感すること、遊ぶこと、そして楽観主義です。これらのことを大切

  て、新しい考えや行動につなげてください」と激励しました。

             式は事前の検温・体調チェックや会場の換気、消毒など感染予防対策を徹底して進めら

                                    れました。学生たちはこの日が学友たちとの初めての顔合わせでしたが、授業終了後に

            は記念撮影も行われ交歓を深めました。


2021年度 第3回授業

「南極から ちきゅう を観る」

 9月26日(日)14:00~16:00  Zoom(オンライン)

 講師:永延 幹男(ながのぶ みきお)先生 (自然哲学者)

 

地球はいま悲鳴を上げています。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの濃度が高まって地球の 

表面温度が上がり、その影響で生態系が乱れ、海面が上昇し、異常気象が多発しているのです。

            地球に暮らす私たちにとってもっとも深刻で、かつ身近な問題です。第3回の授業は、南極海で

            生物資源の調査研究を続けておられる永延先生をお迎えし、南極の自然環境の変化について、た       

            くさんの写真や図表もまじえてわかりやすく教えて頂きました。南極を観察することで地球全体        

            の環境が直面している課題がよく見えてきました。そして地球を救うために自分たちに何ができ 

            るのか、そのヒントを少し見つけることもできました。

            以下、講義の概要を紹介します。

 

☆☆☆   ☆☆☆  ☆☆☆   ☆☆☆

 

  ――なぜ南極へ

  最初に、なぜ南極に行くことになったのか、お話しします。私の出身地は福岡県八女地方といういなかのまち

  です。小学4年生のころ、友達とお金を出し合って市の地図を買い、それを頼りに自転車で知らない場所をあ

  ちこち探検して回りました。とても楽しく、ワクワクする体験でした。

 このワクワク感が忘れられず、高校では山岳部に所属、大学に入ってからはボルネオや台湾、南太平洋などを

 訪ねるようになり、どうせなら地球一周をということで出かけました。そんなことをしているうちに「地球は

 案外狭い。もう行くべきところはないのでは」と思いかけたんです。でもその時、「待てよ、南極があるな」

 と、「南極にはまだ知らない自然がいっぱいあるはずだ」と気づいたんです。小学生の頃に味わったワクワク

 感を追っかけていたら、いつのまにか南極に辿り着いたというわけです。

 ワクワクする気持ちと探究心がいかに大切かということです。

  南極にはこれまで9回行きました。観測を続ける中で、3回目か4回目ぐらいから「どうも地球はおかしなこ

  とになっているぞ」ということに気がつき始めました。

 

  ―南極の歴史

  南極は2億年前には他の大陸とひとつながりでした。その後、いくつかに分かれて移動していきますが、南極

  大陸は1億年前はまだ暖かく、7千万年前には恐竜がいたことがわかっています。

 南極点に初めて到達したのはアムンゼンという人で1911年、今からたった110年前のことです。氷や暴

 風圏という自然環境が人を阻み、発見と到達を遅らせたのです。

  南極は一言でいえば、寒いけれど豊かなところです。現在は最も厚いところでは4000メートルもの氷に覆

  われています。南極の氷が全部溶けると、世界の海面は60メートル上昇すると言われています。みんなの

  んでいる横浜も沈んでしまうのです。

 

  ――いま、南極は

  私はナンキョクオキアミとその環境生態の研究をしています。

 南極海ではオキアミを魚が、魚をペンギンが、そしてペンギンをシャチが食べるというオキアミを中心にした

 食物連鎖ができていてそれが生態系を支えています。南極海には5種類のオキアミがいますが、その中でナン

 キョクオキアミは大陸を囲む主に水温0度位の冷たい海中に生息しており、他の近縁種のオキアミはそこから

 バームクーヘン状に異なる水温帯に棲み分けて分布しています。そのナンキョクオキアミが近年減ってきてい

 るのです。

  その要因は地球の温暖化の影響と考えられています。2020年は記録を取り始めてから最も暑かった。地球

  の気温は急速に上昇しているのです。南極はどうかというと、南極点では過去30年の間に世界平均の3倍も

  温暖化が進んでいるというデータがあります。その影響で棚氷の崩壊が進んでいます。温暖化によるものか

  然循環によるものかまだはっきりしていませんが、2000年には東京都の面積の5倍もある棚氷が割れまし

  た。2014年には突然、海氷面積が激減しました。

  海水温が上昇してナンキョクオキアミが減ると南極の生態系に大きな影響を与えます。氷が溶ければ皇帝ペン

  ギンは滅んでしまいます。地球の海水は、冷たい水が下に沈み込むことで1500年かけて循環しますが、

  極の温暖化はこの海洋大循環の流れをも変えてしまいます。

 

  ――では、どうする?

  南極を探ることは地球を観察することにつながるのです。ほかにも、キリバスなどの海面上昇や珊瑚の白化、

  シベリアの永久凍土の融解などなど、世界中から警告の声が上がっています。今年の8月にはICPP(国連気候

  変動に関する政府間パネル)が「地球温暖化は人間の活動が原因」とする報告を出し、国連事務総長が「人類

  への赤信号」と発言しました。

  私たちはこの問題にどう向き合い、どうやって温暖化を防いでいけばよいのでしょうか。とても難しい問題で

  すが、みなさんと共に考えていきたいと思います。

 

☆☆☆   ☆☆☆  ☆☆☆   ☆☆☆

 

 

 永延先生の講義はここでいったん終了。このあと学生たちは4グループに分かれてそれぞれ質問をまとめると

 ともに、講義を聴き終えての感想や温暖化防止のために自分たちに何ができるかなどについて話し合いました。

 

 たくさんの質問が寄せられましたが、多かったのは①南極に行って一番驚いたことは②南極での食事はどんな

 ものか③縄文時代も海水面は今より高かったと思うが現在と状況はどう違うのか④温暖化を防ぐためにはどう

 すればよいか――など。

 永延先生は、①氷山に圧倒された。こんな大きなものが海に浮かんでいるのかとびっくりした②観測船には

 門のコックさんが5人位乗り込んでいるのでホテル並みに立派な食事が楽しめる③大昔と違い、今は数年、

 十年の間に早いスピードで上昇していることが問題④CO2ゼロを目指す取り組みや、SDGs(持続可能な開発

 目標)の17の目標を達成することが重要――と答えられました。

 

 また、学生たちからは「南極で起きていることがよくわかった」「南極の氷が溶けると横浜も海に沈んでしま

 うことを初めて知った」「私たちの生活で地球が壊れているんだと思った」「公共交通機関を使うなどして

 CO2を減らさなければ」「SDGsに世界中の全員で取り組まなければ」などの感想や意見が出されました。


 永延先生は、授業前と授業後の学生アンケートから、探検発想(KJ法)図解を作成してくださいました。

  図解により様々な考えや情報をまとめて全体像をつかむことができ、その作成方法についても少し教えて頂き

  ました。

【授業後の学生アンケートより永延先生作成の探検発想図解】

2021年度 第2回授業

「原三溪さんを知ろう!~いまも横浜に生きている~」

 7月11日(日)14:00~16:00  Zoom(オンライン)

 講師:猿渡紀代子(さわたり きよこ)先生

 (原三溪市民研究会 顧問)   

 

 1868年8月22日に、岐阜県岐阜市の豪農の長男として生まれた青木富太郎(あおきとみたろう)

 さん。のちに『原三溪(はらさんけい)』というお名前で知られることになります。

 その原三溪さんを知ろう!

 

             第一章 原三溪さんの人生と仕事

             第二章 原三溪さんがつくった三溪園 

               第三章 原三溪さんと美術コレクション~日本画など~

 

   第1章は、三溪さんが生まれ故郷の岐阜から上京し東京専門学校(後の早稲田大学)で

   政治・法律を学び、 原やすという女性と出会い結婚し 、原富太郎となるお話。

   やすさんの祖父である原善三郎が営む横浜の生糸商「原商店亀屋」を継ぎ、その店の社名を  

   「原合名会社」と変え、三溪さんは明治時代の生糸貿易を支え実業家として活躍します 。

   世界遺産になった「富岡製糸場」は、三溪さんの会社が 35 年もの間経営し 、世界に生糸を

   輸出したり、支店を増やしたり 、ますます発展していきました。

   また、原合名会社の扱っていた生糸が一体どのようにしてまゆ玉から作られていくのか、

   碓氷製糸(株)の動画を視聴。 

   このように経営者として大忙しだった三溪さんですが、 プライベートでは、

   趣味の絵画や書をたしなみ、料理のレシピ 「蓮華飯」や「三溪そば」など考案し                     お客様にもふるまっていました。                            三溪園ホームページより引用

   ビジネスだけではなく、自分の時間も家族も大切にし 、1939(昭和14)年8月16日

   満70才で亡くなりました。           

                             

   第2章は、三溪園パンフレットを 開き、正門から三溪さんの自宅だった「鶴翔閣(かくしょうかく」、

   シンボルの 「 三重塔(さんじゅうのとう) 」 、重要文化財となる建物「 臨春閣(りんしゅんかく) 」 、

   「聴秋閣(ちょうしゅうかく) 」などを道にそって見学しました 。

   東京ドーム4個分、約5万3千坪という広さの三溪園は、三溪さんが自分でデザインし、20 年かけて造り

   上げた自然豊かなお庭です。重要文化財や国宝となるような貴重な建物を移築し、のこしました。

   三溪さんは、出来上がったその庭を一般市民が誰でも24 時間自由に出入りできるように公開したのです 。

   その精神には、

   「自然の美は神様がおつくりになったものであり、私のものだけではなく、皆で共有するものだ」

   という考えがありました。

   その後、関東大震災で崩壊した横浜で、三溪さんは復興委員会会長として市民の前で演説します 。

   「横浜の外形は焼き尽くされても、横浜市の本体は厳然として存在している。それは市民の精神、市民の

   元気である」

   そして、がれきから山下公園を造るなど、みごとに横浜の復興に力を尽くしました。

 

   第3章は、 趣味の多い三溪さんの 5000 点もの国宝や重要文化財になるような   

   美術品のコレクションをほんの少し紹介 。さらに、三溪さんは画家を目指す

   才能のある若者たちを金銭面や生活面でもサポートし、精神面でも一緒になっ

   て作品作りに協力していました。その若者たちは 、横山大観(よこやまたい

   かん)や前田青邨(まえだせいそん)などという、後に歴史に名を残すような

   画家へと成長しました。

   三溪さんは、どんな画家にも平等に接し、自宅を制作場所として提供し、自分

   のコレクションもおしみなく見せながら共に議論し、若い画家を支援すると

         いう重要な役割を果たしました。                           三溪園ホームページより引用

     その精神には、

     「美術品に備わった歴史や美しさといった価値は、自分だけのものではなく、皆で共有するものだ」

     という思いがありました 。

     三溪さんの美術品コレクションは、戦争の空襲で焼けずに全て残っていたら、横浜市に立派な美術館が作れたかも

     しれないほど素晴らしいものでした。

 

 ~学生アンケートより~

 

  <一番印象に残ったこと> 

    第1位 関東大震災復興委員会会長の演説

    第2位 原三溪さんが自然や美術品を皆と共有するべきと考えたこと

    第3位 原三溪さんの優しさ

 

  <原三溪さんについてもっと知りたいこと>

    第1位 原三溪さんの作品

    第2位 原三溪さんの人柄(幼少期・趣味・好みなど)

    第3位 三溪園のこだわったところ、美術品の種類

 

  <猿渡紀代子先生に質問>

    原三溪さんの研究を始めたきっかけは?

   

    「三溪園の門から中に入ると、外とはまったく別の世界が広がっています。

    この庭園をつくった人は、そしてすぐれた日本画家を育てた人は、どのような人だろうと知りたく思いました。

    一番おもしろいのは原三溪さんの自分のことよりも他人の幸福を願う人間性と多面的な人物像です。

    原三溪という人物をまるごと知りたいと思い、今も研究を続けています。」


 猿渡紀代子先生

 原三溪市民研究会の皆さま

 ありがとうございました!!

2021年度 第1回授業

 

「ウィルスとワクチン」 

 2021年6月6日 Zoom(オンライン)

 

  講師:榊原 洋一(さかきはら よういち)先生 

 (チャイルドリサーチネット所長,お茶の水女子大学名誉教授,日本子ども学会理事長)

     

 学生62名(4年生29名、5年生15名、6年生18名)参加

 

  

  1. 目で見ることができないほど小さいウィルスはなぜ怖いの?

  人の体に対するウィルスの大きさは『地球』に対する『人間』くらい小さい。

人の体内に入ったウィルスは、一度感染するとどんどん増え、何兆、何十兆にもなる!

そして、ウィルスの遺伝子は不安定で、すぐに変わってしまう性質がある。2週間に一回位は新しく変異しているが、

変異しても弱いもの、変わらないものもある。

2. 細菌(さいきん)とウィルスによる病気の違いは?

  似ているようで違う細菌とウィルス。姿かたちも違うけれど、一番大きい違いはウィルスには細胞(さいぼう)がなくて、

  増え方も違う。ウィルスによる病気と細菌による病気の種類の中で、以前はコロナウィルスよりもっと怖い病気があった。

  一番怖いのは狂犬病で致死率は100%。現在はワクチンや治療薬ができてほとんど怖い病気ではなくなっている。

3. コロナウィルス感染症(COVID-19)ってどんなウィルス?

まだわからないことが多いけれど、分かってきたこともある。

子どもは大人に比べて重症化しないと言われ、死亡例もほとんど報告されていない。子どもの細胞は大人にくらべて未熟

だということがわかってきた。コロナウィルスが侵入するACE受容体が未発達なので感染しにくいが感染しても大丈夫と

いう訳ではない。症状は何にも出ない人もいれば、ちょっとした風邪の症状や、重くなると、呼吸困難で肺炎がおきて

人工呼吸器をつけたり、人工心肺エクモというものを取り付けないといけなくなる。今一番の対策は、ワクチンをうち

感染しても重症化しないようにすること。また感染しない、感染させないためにマスクをして防ぐことが大事。

 

【学生の質問!】

 「新型コロナウィルスはなぜ突然流行したの?どこから発生したの?」

 (先生)中国武漢の研究所で、元々あった毒性の弱いコロナウィルスが、動物の体の中で自然に変異したか、人工的に変異   

     させられたかのどちらかで、感染力が強い・毒性の強いウィルスに突然変異がおき広がったと考えられている。

 「ワクチンの効果は変異株に対して変わる?」

 (先生)効果が出たかを見るには2つの方法がある。1つは実際に1000人くらいに打ってみて、打たなかった人との違いを 

     見る。もう1つは、注射した後にその人の血液を採取して、ウィルスに対抗する「抗体」について調べる。

     ワクチンを打った人の体の中には、この変異株を殺す「中和抗体」ができていることがわかっているので、変異株

     にも効果はある。

 「なぜ子どもはワクチンを打たないの?」

 (先生)理由のひとつは、まず医療崩壊をさける目的。二つ目は、そのために重症化しやすい老人から優先に打つため。

     子どもは感染しても死亡例がほとんどないため、「強い人は待っていて」ということ。医学的には子どもにもワク

     チンの効果があるのはわかっている。

 「ワクチンは何人で、どれくらいの期間で作られるの?」

 (先生)種類によって作り方が全然違う。今までのワクチンは45年かかり、手間もかかっていた。ファイザーやモデルナ

     社のメッセンジャーRNAワクチンは、全部化学合成によって遺伝子を作る。バイオタンクの中でどんどん作ること

     ができるので、もう十何億人分くらいのワクチンができている。高度な技術がいるが、時間的には早くできる。

 「ワクチンの副反応はどのくらい?」

 (先生)副反応は大きく2つ。1つは打った後に打った場所が痛くなる軽い副反応で、2人に1くらい出る。また、2回目

     を打つと50%くらいの人に熱が出る。これは体の中で「抗体」というものが作られる時の反応なので、これ自体

     は悪くない。皆さんが一番心配している「アナフィラキシー」という副反応は、ワクチンそのものではなくて、ワ

     クチンを溶かした液の中に安定剤として入っている「ポリエチレングリコール」という化学物質による。これで以

     前アレルギー反応を起こした人の12万人に1人くらいにアナフィラキシーが出ます。でも、そこにお医者さんが

     いて、治療する薬があれば、命に関わることはほとんどありません。注射をして大体515分くらいの間に咳が出

     て、ゼーゼーして、気持ち悪くなったり、血圧が下がったり、意識を失うことがある。

  この時にアドレナリンを注射すると、ほぼ100%、元に戻ります。アナフィラキシーで死んでしまう多くの事例が、山の

  中でスズメバチに刺され、周りにお医者さんもいない、病院もない、薬もない場合。食物アレルギーのある人は「エピペ

  ン」と言って自分で注射できるものを持っていて、これを打てば元に戻る。

  また「血栓ができやすくなる」という心配もありました。血栓症は、ワクチンの開発をしている人たちが、ワクチンのど

  こが血栓を起こしやすくしているのかを研究して、この間その論文がでた。それに基づいてワクチンも少し変えるかもし

  れないということを言っている。

  今ある他のワクチンにも副反応はある。また「ワクチンを打った人が1週間以内に亡くなった」という怖い情報が出てき

  たりするが、その中にはたまたまワクチンを打った1週間後に別の原因で亡くなった人も含まれていることがある。

  正しい知識を持って、正しく怖がり、正しい判断をすることが大事。

 「人に良い効果をもたらすウィルスはありますか?」

 (先生)ウィルスの中には人に感染しても人に害を与えないものはあります。感染して良い効果をもたらすウィルスは知られ

     ていませんが、大昔に人に感染した時に、ウィルスの遺伝子(DNA)の一部が、人の遺伝子の中に入り込んで、良い影響

     を与えいる例はあります。実は人間の遺伝子全体の8%は、大昔(何百万年以上前)に人の祖先に感染した時に人の遺

     伝子に潜り込んだウィルスの遺伝子の一部です。例えば赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時に、赤ちゃんを守る働き

     をしている遺伝子は、こうした大昔のウィルスの遺伝子の一部であることがわかっています。

 「人によってワクチンの効果は違うのですか?」

 (先生)ワクチンを打つと、体の中でリンパ球という白血球の仲間が、抗体を作ったり、ウィルスを殺す働きのある特殊な  

     リンパ球に変化しますが、その量には個人差があります。そのため、作られた抗体の量が少ないと、ワクチンを打

     っても感染予防の効果がなかったり、少なかったりすることはあります。新型コロナのワクチンの場合、十分に抗

     体ができない率は25%くらいになります。安全で効果があるとされている麻疹のワクチンでも、抗体が十分で

     きない率は5%くらいあります。

 

たくさんの質問にていねいに答えていただきました。

榊原洋一先生、ありがとうございました!! 

 

2020年 リモート学部〈第一章〉オンライン授業

通常の授業ができなくても、今できる“学び”を提案する「リモート学部」
初めてのZoom使用にスタッフも四苦八苦!!
連日画面に集まって準備を重ね、毎回手探りの授業は

無事5月に4回を終えました。


5/9    第1回 ”麦畑deムギトーーーク”
5/16  第2回 ”麦畑de水トーーーク”
5/23  第3回 ”みんなde水マップつくろーーー!”
5/30  第4回 ”わたしたちde水をつなごう!!!”

 

毎回変わるタイトルからもわかるように、子ども達の

言葉から次は「何する?」
20人を超える学生が参加し質問や意見が飛び交いました。


ご協力頂いた横浜市立大学 木原生物学研究所 坂 智広(ばん ともひろ)教授の麦畑ライブ中継から始まり

テーマはムギから水へ。みんなの「水」マインドマップ作成。

そして最後に子ども達から出てきた言葉は・・・


「水から全て人につながっている」「水なしでは生きられない」

「水を考えると世界が変わるかも」「私たちの技術の進歩が他の生き物にとっては悪影響」


大切な「水」を守るために私たちができること
まずは問題を知ること。話すこと。
新しい形の学び合いは第二章へと続きます。

 


3.事務局会議